基礎編1: WebXRの特徴とBabylon.js
本章のゴール
WebXRの概要を理解し、これから構築するXR空間の技術的な背景と基盤についての知識を習得する。
本章では、ブラウザで動作するWebXRの背景と、Babylon.jsについて解説します。
1.WebXR APIとは
WebXR Device API(通称WebXR)は、ウェブブラウザを通じて仮想現実(VR)および拡張現実(AR)デバイスへアクセスするための標準仕様です。
WebXRは、VRヘッドセットやコントローラーなどのハードウェアの機能を「JavaScript API」として提供します。つまり、私たちが普段記述しているJavaScriptのプログラムから、VRゴーグルの頭の傾きや、手に持ったコントローラーの座標、トリガーボタンの入力状態などをリアルタイムに読み取り、3D空間に直接反映させることができるようになる仕組みです。
WebXRはデバイスを最大限活用できるよう、アプリケーションがブラウザを通してデバイスのハードウェアにアクセスすることを可能にします。
WebXRでアクセスできる主なデバイス一覧
WebXRは、独立して動くVRゴーグルからスマートフォンのAR機能まで、幅広いデバイスに標準対応しています。
- スタンドアロン型VR/ARヘッドセット: Meta Quest シリーズ(Quest 2, 3, Pro等)、Pico シリーズ、Apple Vision Pro(Safari利用)、Magic Leap、HoloLens 2など
- PC接続型VRヘッドセット: HTC Vive、Valve Indexなど
- モバイル端末 (AR用途): ARCore対応のAndroidスマートフォン、ARKit対応のiOSデバイス
2.Babylon.jsとは
本チュートリアルでは、WebXRの空間を組み立てるベースとして「Babylon.js」を使用します。
Microsoft社との関係
Microsoft社が主要な開発チームを強力にバックアップし、資金提供やサポートを行っています。エンタープライズレベルの大規模開発にも耐えうる、非常に強固な保守体制が敷かれています。
後方互換性
Babylon.jsは、ライブラリのバージョンアップによって過去の仕様を安易に破壊しないという、後方互換性を極めて重視した設計思想を持っています。一度記述したコードが将来のアップデート後でも安定して動作し続けることは、WebXRアプリケーションのような複雑なプログラムを長期的に保守していく上で非常に大きなアドバンテージとなります。
お疲れ様でした。まずは基礎中の基礎を押さえることができました。